2021年09月03日
福島県に東京電力?
2021.8.27
会津若松から磐梯町にショートカットで抜ける予定が、勘ピューターが狂って猪苗代湖まで行ってしまった話を前回しました。
磐梯町に抜ける道路を探したところ、ちょうど良い道を探したので入っていくことにしました。
すると、舗装から砂利道になり、山の中でT字路になり、右側頭上に道路の橋ではない大きな橋がありました。そのまま、まっすぐ進むと行き止まりになり、右側に水槽らしきものがあるのがわかりました。先ほどの橋は水路橋であることが、ここでわかりました。
折り返して、水路橋の真下を潜って、山を下りていくと、変電所らしき施設が目の前に飛び込んできました。
さらに下っていき、振り返ると、
巨大なパイプラインに出くわしました。ここで、先ほどの水路橋、水槽、変電設備が繋がりました。これは水力発電所です。猪苗代湖の水を使った水力発電所なのです。
国道49号の入り口には何の案内板もなく、私たちは猪苗代湖からの取り入れ口の方から発電所まで走ってきたのです。
東京電力ホールディングス株式会社猪苗代第一発電所という銘板がありました。何で福島に東京電力なのか。
その答えは、隣の解説板にありました。
ここは日本遺産の一つになっており、大正3年に東京駅と同じ赤レンガで作られた発電所です。
東京まで225kmを送電した距離は当時世界第3位の長さを誇ったそうです。送電距離が長くなるほど電圧が落ちるので世界的な技術力だったようです。
東京臨海工業地帯の電力として使われて、日本経済を支える重要な施設になったようです。
ただ、なぜ、イニシャルコストもランニングコストもかかる長距離の猪苗代湖を選んだのかは解説されてはいませんでした。
上の国土地理院2万5千分の1地形図を見ると、水槽の場所が標高510m位で、発電所の辺りが標高410mです。標高差約100mの水力発電所ということになるのでしょうか。等高線の太い茶色が50m単位、細い茶色が10m単位です。
水力発電の発電量は標高差(落差)と水量で決まります。
ちなみに、この発電所と同じような標高差で、水量は、この発電所のパイプライン1~2本分の発電所が山形市内にあります。
山形自動車道蔵王インターチェンジの少し上流の馬見ヶ崎川から取水し、山形県庁南側の国道286号の真下を走り、山形市飯沢の最上川中流土地改良区の建物に発電所は併設されています。
馬見ヶ崎川からの水は農業用水です。発電した電力を土地改良区が管理する農業施設に使うためとして開設されましたが、大きな変電設備を持っていないことから東北電力に売電しているはずです。
土地改良区については、広域農道と農免道路とは? の最後の部分で解説しています。
間違って国道49号に入ったことで日本遺産を見ることができました。ガソリンが少なくなりました。磐梯町の農協のガソリンスタンドで給油することにしました。
himajintaro at 06:50│Comments(0)│よもやま話