2021年06月19日
余の辞書に河床の変化はない
2021.6.12
前日、夕食の仕込みをしていたら、遅山仙人から電話が入り、渓流釣りに行かないかと誘いを受けました。
以前、仙人に誘われて最上町へ釣りに行ったときは、遅くに出かけ、雨が降ってきたので、自分は竿を出さずに見ているだけで、私だけが竿を振っていました。
釣りは日の出前に現地に到着して釣り始めるのが絶対的セオリーなのですが、日が高くなってからしか出かけない仙人にクレームしていました。
すると、「日が高くなってから釣るのが名人だ」と宣うので、「それなら、手本を見せろ」と言っていたので、急遽出かけることにしました。
最近走っていない、県道山形羽入線を北上し、山形空港、東根市長瀞を過ぎて、村山市名取に向かう途中に、山形県内では二例目となるロータリー式交差点が出来上がっていました。
一例目は、長井市の長井ダムに向かう途中の広域農道との交差点にあります。
ヨーロッパや南アジアではロータリー式の交差点は一般的ですが、交通量があまり多くない所に作るのは試験的なのかもしれません。
私が20年以上通ってるバングラデシュはロータリー式が一般的で、首都ダッカでも信号機のある交差点が珍しいのです。上の写真は、多分、日本の資金も入って作られたホテル・パン パシフィック ショナルガオン ダッカ の近くの交差点だった気がします。
ロータリー中央にはバングラデシュの国花である睡蓮の花のモニュメントがあります。ちなみにベンガル語(バングラデシュ公用語)では睡蓮の花をシャプラと言います。
村山市新山寺地区のスイカ畑を横切り、大石田町で国道347号と合流し、そのまま尾花沢市に入り、国道13号を北上し、猿羽根山トンネルを抜けて、舟形町に入りました。
仙人によると、鮎釣り解禁までの間は釣り人がいないので、この時期は絶好のチャンスだと言うのです。
仙人のリクエストにより、鮎釣りのメッカ小国川を遡上し、最上町との境付近に行きたいとのことでした。
仙人が昔、この時期に盛んに釣ったというポイントに着きました。しかし、たくさんあったポイントが無くなり、河床は平坦になっていました。仙人は首をかしげるばかりです。
止む無く、違うポイントで釣ったらどうかと提案しましたが、人から見られる場所で釣りたくないと言うのです。ポイントを知られることを危惧しているのではなく、入漁料を払うのが嫌だと言うのです。
小国川の入漁料を払って、正々堂々と釣ってはどうかと進言しましたが、仙人には耳がありませんでした。
耳が無い仙人には、実は本当に行きたいところがあって、そこに向かうことにしました。
標高1,365mの神室山の登り口、新庄市の土内川です。
上の吊り橋の下を流れる土内川が仙人本命の川です。
仙人の十八番はテンカラ釣りで、毛鉤を使いますが、竿が長いのでスーパーカブには載せられないので、ブドウ虫を使って釣ることになりました。
結論から言うと二人とも坊主でした。
仙人も私も当たりがありました。仙人は途中まで釣り上げて逃げられました。この辺はヤマメなので、一回逃げられると、ヤマメが警戒して同じポイントでは釣ることができません。
一番の失敗は、仙人が餌のブドウ虫を少なく買ってきたことにあります。私は、前日に釣具屋にブドウ虫を買いに行くと言ったら、俺に任せろと言うので任せました。
川に入って川虫を捕まえて釣るやり方もありましたが、仙人には、そんな元気が残っていませんでした。
それと言うのも、先の小国川と同じように、河床の様子が違うことで気落ちしていたことも理由にあります。
昨年、大雨が続いたので、間違いなく、小国川も土内川も河床が大きく変化したのです。そのことに、仙人は気が付きませんでした。「変だ、変だ」を連発していました。
川の至る所に根が付いたままの流木がたくさんありました。激しい雨が降ったことの証拠です。
昔の栄華に酔いしれたい釣り名人の遅山仙人でしたが、自分の辞書に載っていないポイントでは釣ることができなくなっていました。
気落ちした仙人に気持ちを切り替えしてもらうべく、以前から誘っていた山形県境の近くの及位(のぞき)駅に行くことにしました。
土内川を出発したのは午前10時30分でした。